山、自然、地球を楽しみ尽くすため
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Yuji Emoto
山岳ガイドとして、時にはアドベンチャーレーサーとして、過酷な自然と対峙してきた江本悠滋さん。山、自然、地球をどこまでも楽しむ姿勢には驚くばかり。前編では活動のフィールドを広げてきた経緯、そして見事完走を成し遂げた世界一過酷なアドベンチャーレース「X-Alps」について伺った。
※本記事は、当社より「/zeroz(ゼロズ)」テスト品を提供し、依頼したインタビューを編集して掲載しています。
※インタビューは2025年12月に行われ、記事内の発言・内容は取材当時のものです。
山岳ガイドとして、時にはアドベンチャーレーサーとして、過酷な自然と対峙してきた江本悠滋さん。山、自然、地球をどこまでも楽しむ姿勢には驚くばかり。前編では活動のフィールドを広げてきた経緯、そして見事完走を成し遂げた世界一過酷なアドベンチャーレース「X-Alps」について伺った。
※本記事は、当社より「/zeroz(ゼロズ)」テスト品を提供し、依頼したインタビューを編集して掲載しています。
※インタビューは2025年12月に行われ、記事内の発言・内容は取材当時のものです。
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1976年、愛知県生まれ。アルペンスキー選手として16才でフランスに留学。選手生活後に世界最難関の「ENSA(フランス国立スキー登山学校)」へ入学し、山岳ガイドとスキー指導員の両資格を取得。現在はUIAGM国際山岳ガイド、フランス国家資格山岳ガイド、フランス国家資格スキー指導員、フランス国家資格パラグライダーインストラクターの資格を保有。フランスと日本を主な拠点にさまざまなアクティビティを提供しながら、自らも山全体をフィールドにさまざまなチャレンジを続けている。
国際山岳ガイド
江本 悠滋(えもと ゆうじ)
Vol.01
複数の拠点もアドベンチャーレースも、
山、自然、地球を楽しみ尽くすため
国際山岳ガイド
江本 悠滋
(01)
一年を通して山に関わるために、
二つの国際資格を取得
冬は日本、夏はフランスを主な拠点に山岳ガイドとして活動している江本さん。複数の拠点を持つ理由をこう語る。
「山を楽しみ尽くすためですね。日本の雪は世界一だと思っているので、冬は日本でスキーを中心としたアクティビティを提供し、自分も楽しむ。夏はアルプスの方が楽しみが多いのでモンブランの麓の街、シャモニーを拠点にしています」
高校時代にアルペンスキー選手としてフランスに留学したものの、ケガで選手のキャリアを断念。その後、フランスで国家資格を取得しスキー指導員になった。登山やクライミングに没頭していったのもこの時期のこと。
「スキーだけだと冬しか山に関われません。登山ガイドの国家資格も取得することで、現在まで続く一年を通して山に関わるスタイルを確立できました」
(02)
飛ぶことで、
より大きなスケールで地球を楽しめる
加えて現在はパラグライダーのインストラクター資格も持つが、その出会いは衝撃だったそう。
「10年ほど前にガイドとしてモンブランに登頂したときに、下から上昇気流に乗ってパラグライダーが山頂まで飛んで来たんです。彼らは楽しそうに喜び合い、しばらくすると、また麓の街まで飛んで行った。自分たちはここまで歩いて来て、今から8時間も下るのに彼らは5分か10分で下山です(笑)。ショックと言うか、自分がこの遊びの手段を持っていないことが悔しかったですね」
当時は、登山とパラグライダーを組み合わせたハイク&フライがヨーロッパの山岳シーンで注目されはじめたころ。江本さんはすぐにパラグライダーのトレーニングをはじめ、その魅力にのめり込んでいく。
「クライミングをしていると岩に小さな手がかりがあったり、1000mの壁を登れるルートがあったりするのは、自然の奇跡だと感じます。上昇気流に乗って高く、遠くへ飛ぶパラグライダーも、そこには空気とそれを温める太陽、山の地形が関係してくるので、まさに自然の奇跡です。太陽と尾根の位置で気流が変わったり、北半球と南半球で風向きが逆になったりするので、より大きなスケールで地球というフィールドを楽しんでいる感覚です」
(03)
できることが増えれば
「最高の1日」が増える
そもそもスキー選手だった江本さんが登山、クライミング、アイスクライミング、トレイルラン、パラグライダーなど、次々に山との関わり方を増やしてきたのはなぜだろうか。
「難しいチャレンジには、いったんめり込むタイプなんです。クライミングに夢中だったころには5.14aというグレード*まで到達しました。しかし、それ以上極めるのは自分にはストイック過ぎて、それなら、もっと違う山の楽しみ方に体と時間を使おうと思うようになるんです。
*5.14a:クライミングで最高難度に近いレベルを示すグレード。
山は毎日変わります。今日は雪がいいからスキーで滑る、今日は風がいいからパラグライダーで飛ぶ。その日の山を存分に楽しめることを私は『最高の一日』と呼びますが、できることが増えれば、最高の一日が増えるんです」
(04)
培ってきた技術と経験を
総動員して挑んだX-Alps
ガイドの仕事とは別にスキーでアラスカ、クライミングでカナダのバフィン島を訪れるなど、毎年のようにプライベートでの挑戦を重ねてきた江本さん。パラグライダーに出会ってからは、世界一過酷なアドベンチャーレースと呼ばれる「レッドブル X-Alps」への出場が第一目標になった。
「スキー選手時代のように順位を競おうと思ったわけではありません。10代でフランスに来て以来、ずっとアルプスに関わってきましたが、いまだに全容をつかむには至っていません。それほど広大なこのフィールドを自分の足で登り、背負ったパラグライダーで一周することが最高にエキサイティングだと思ったんです」
世界のトップアスリートのみが招待され、完走率は6%と言われるこの大会。パラグライダー歴わずか9年、46歳で初招待されたこと自体が驚異だが、なんと完走まで成し遂げる。
「運に頼らない作戦が功奏しました。3時間待てば上昇気流が発生しそうな場所があっても、そのとき飛べなければ歩く。飛べる気流に出会えば、飛ぶ。そうして地道に進み続けたことで完走できたと思っています。何より、自分の技術や経験を総動員してアルプスに挑めたことが一番の収穫ですね」